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法人法務

電子定款

 電子定款とは,とは,パソコンなどを使用して定款を電子文書(PDFファイル)にし,その電子文書に公的な電子署名を付したものをいいます(会社法26条2項,同法施行規則225条1項1号)。

 この電子定款は,法務省のオンラインを通して公証人の認証を受けます。

電子定款作成のメリット

 紙ベースの書面で定款を作成し,公証人の認証を受けた場合に必要な印紙代4万円が不要になります。

 印紙税が課税されるのは,印紙税法で定められた紙ベースの文書(課税文書)に限られています。電子定款は,電子文書ですので,課税文書には当たらず非課税となり,そのため印紙代が不要になります。

定款の絶対的記載事項(株式会社)

 株式会社の定款には,次の6種類の事項を必ず記載・記録しなければならず,その記載・記録を欠く場合,又はその方法が不適法であった場合には,定款全体が無効になります(絶対的記載事項)。

(1)

目的(会社法27条1号)

(2)

商号(同条2号)

(3)

本店所在地(同条3号)

(4)

設立に際して出資される財産の価額又はその最低額(同条4号)

(5)

発起人の氏名又は名称及び住所(同条5号)

(6)

発行可能株式総数(同法37条)

一般社団法人

  一般社団法人とは,「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に基づいて設立された社団法人のことをいいます。一般社団法人には,次のような特徴があります。

(1)

名称に「一般社団法人」の文字を使用しなければならない(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律5条1項)。

(2)

設立は社員2名以上で,財産的保有制限なし(同法10条1項参照)。

(3)

定款は,設立時社員が作成し,公証人の認証が必要(同法10条1項,13条)。

(4)

理事(任期2年以内)が必置であり,理事(代表理事)は,法人を代表し,業務を執行する(同法60条1項,66条,76条,77条,91条1項)。

(5)

社員総会は,必置(同法35条以下)。理事・監事・会計監査人は,再任可(同法69条2項参照)。

(6)

理事会,監事(任期4年,定款で2年まで短縮可)の設置は任意(同法60条2項,67条1項)。ただし,理事会・会計監査人を置く場合は,監事必置(同法61条)。

(7)

理事・監事・会計監査人は,再任可(同法69条2項参照)。役員等は,社員総会決議によって選任(同法63条1項)。

(8)

理事会は,業務執行の決定,理事の職務執行の監督,代表理事の選定・解職をする(同法90条2項)。

(9)

理事・監事・会計監査人は,再任可(同法69条2項参照)。

(10)

貸借対照表(大規模法人は,貸借対照表及び損益計算書)の公告が必要(同法128条)。電子公告も可(同法331条1項3号)。

(11)

定款で基金制度の採用可(同法131条)。

NPO法人

 NPO法人とは,特定非営利活動を行うことを主目的とし,特定非営利活動促進法(平成10年法律第7号。いわゆるNPO法)により設立された法人をいいます。

 NPO法人の認証を受けるための要件は,次のとおりです(特定非営利活動促進法2条2項)。

(1)

特定非営利活動を行うことを主たる目的とすること

(2)

営利を目的としないものであること

(3)

社員の資格の得喪に関して不当な条件を付さないこと

(4)

役員のうち報酬を受ける者の数が,役員総数の3分の1以下であること

(5)

宗教活動や政治活動を主たる目的とするものでないこと

(6)

特定の公職者(候補者を含む)又は政党を推薦,支持,反対することを目的とするものでないこと

(7)

暴力団でないこと,暴力団又は暴力団員の統制下にある団体でないこと