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目 次 遺言とは,何ですか?
遺言(ゆいごん,いごん)とは,自己の財産を,自己が死亡した後に最も有効かつ有意義に活用するため,死後の法律行為を定める遺言者の最終意思の表示です。 遺言がない場合は,どうなりますか?
遺言がない場合は,民法が相続人の相続分(法定相続分,民法900条)を定めており,これに従って遺産を配分することになります。
この法定相続分は,あくまで一般的な規定なので,これに従うと相続人の実情が考慮されずに相続人間の実質的な公平が図られないという場合も少なくありません。例えば,本人と同居してずっと身の回りの世話をしてくれた子と音信不通の子との間では,その相続分に差を設けるほうが公平であるともいえます。しかし,このような差を本人が死亡後に相続人の間で話し合って定めること(遺産分割協議,同法907条)は,大変困難です。 したがって,遺言により本人の希望を明確にしておくことは,相続人のためにもとても重要なことです。 法定相続分については,こちらをご参照ください 遺言書を作成するのが望ましい場合にはどんな場合がありますか?
遺言書を作成することにより,さまざまなトラブルを未然に防ぐことができ,また自分の生前の意思を遺族に対して伝えることができます。次のいずれかに該当する場合は,遺言書を作成することをお勧めします。
遺留分については,こちらをご参照ください
内縁については,こちらをご参照ください
遺言には,どんな種類がありますか?
遺言には,大きく分けて普通方式と特別方式の2種類があり,さらにそれぞれ次のとおり分類されます。
1 普通方式
公正証書遺言を作成する長所には,何がありますか?
公正証書遺言は,公証役場で公証人が作成するため,他の方式で遺言書を作成する場合と比べて,次の長所があります。
公正証書については,こちらをご参照ください 遺言でしかできない行為には,何がありますか?
遺言書と題すれば,どんな内容を記載しても効力が生じるものではありません。遺言として効力が生じるもの(遺言事項)は,法律で制限されています。中でも,遺言書を記載する方法によることでしか効力が生じない行為には,次のものがあります。
1 身分上の行為
2 相続に関する行為
3 財産処分に関する行為
遺言をすることができる人,できない人はありますか?
遺言をすることができる能力のことを遺言能力といい,遺言者は,遺言をする時においてその能力を有しなければなりません(民法963条)。問題となるのは,遺言者が次のような場合です。
夫婦が同じ遺言書で遺言をすることができますか?
遺言は,2人以上の者が同一の証書ですることができません(共同遺言の禁止,民法975条)。
遺言書を発見した場合は,どうすればよいですか?
遺言書が公正証書遺言以外の場合は,遺言書の保管者又はこれを発見した相続人は,相続の開始を知った後遅滞なく,遺言書を家庭裁判所に提出して,その検認の申立てをしなければなりません(家事審判法9条1項甲類34号参照)。そして,封印のある遺言書は,家庭裁判所で相続人などの立会いのうえ,開封しなければなりません(民法1004条)。
なお,遺言書を提出することを怠り,その検認を経ないで遺言を執行し,又は家庭裁判所外においてその開封をした者は,5万円以下の過料に処せられますので(民法1005条),ご注意ください。 遺言は,後で取り消すことができますか?
遺言者は,いつでも,遺言の方式に従って,その遺言の全部又は一部を取り消すことができます(民法1022条)。
自分に不利な遺言を破り捨ててしまった場合は,どうなりますか?
相続に関する遺言を偽造し,変造し,破棄し,隠匿した者は,相続欠格に該当するので(民法891条),相続人となることができなくなります。
被相続人が遺言書を作成していたかどうかを知る方法はありますか?
平成元年(東京都内は,昭和56年)以降に作成された公正証書遺言であれば,日本公証人連合会において,全国的に,公正証書遺言をコンピューターで管理しています。そのため,相続人,その承継者,代理人又は受遺者その他の法律上の利害関係人は,遺言の効力発生後,公正証書を保存している公証役場でその原本の閲覧や謄本の交付を請求することができます。
遺言書の存否が不明な方は,最寄りの公証役場にお問い合わせください。 ご自身で対応されることに不安がございましたら,遠慮なく当職事務所にご相談ください。
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